アドレナリン反転 - Meddic
出典: meddic
- 英
- epinephrine reversal, adrenaline reversal
- 同
- エピネフリン反転
- 関
- アドレナリン受容体、α受容体、β受容体
- アドレナリンはα1(血管平滑筋収縮)、α2(血管平滑筋収縮)、β1(収縮力↑)、β2(血管平滑筋の弛緩(骨格筋))受容体に作用する。α受容体が遮断されることで、β受容体への作用が前面に出て末梢血管抵抗の低下、ひいては血圧低下をもたらす。イソプロテレノールと同じような血圧の挙動を示す。
- 参考→イソプロテレノール#静脈内投与時の挙動
関連リンク
[display]- アセチルコリン・カテコールアミン
- このとき、α1受容体による血管収縮作用の方が強いため、血圧が上昇するのである。 ここで、前もってα1受容体を遮断してアドレナリンを投与すると、β2受容体による血管 拡張作用が表れるため、血圧下降作用を起こす。この現象をアドレナリン反転という。 ...
[display]
- レギチーン注射液10mg 添付文書
- ネコ、イヌによる実験でフェントラミンはアドレナリンによる. 昇圧反応を遮断又は逆転 する。ノルアドレナリンに対する昇圧. 反応に対しても遮断効果を示すが、降圧反応は 起こらない。典. 型的なアドレナリン反転は0.1~1.0mg/kgの静注又は皮下注で ...
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- クロザリル錠 使用上の注意改訂のお知らせ 2010年3月 -医療関係者向け情報-
- ノルアドレナリン (ノルアドレナリン), アドレナリンの作用を反転させ、重篤な血圧 低下を起こすおそ ...
関連画像
添付文書
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★リンクテーブル★
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- 英
- adrenergic receptor
- 同
- アドレナリン作動性受容体 adrenoreceptor
- 関
- アセチルコリン受容体、交感神経作動薬一覧、交感神経拮抗薬一覧
- α受容体、β受容体、受容体
平滑筋臓器における傾向
受容体 | 反応 | 例外 |
α受容体 | 興奮 | 小腸運動:抑制 |
β受容体 | 抑制 | 心臓 :興奮 |
- 注:心臓は平滑筋臓器じゃありません。
アドレナリン受容体
- SP.412改変
- 皮膚や粘膜にはα受容体のみ存在
- 体のどの部位にどんな受容体があるかはGOO.143-144を参照せよ
- epinehrine relaxes the detrusor muscle of the bladder as a result of activation of β receptors and contracts the trigone and shincter muscles owing to its α agonist activity. This can result in hesitancy in trination and may contribute to retention of urine in the bladder. Activation of smooth muscle contractino in the prostate promotes urinary retention.(GOO.246)
- 排尿筋弛緩→β受容体。括約筋弛緩→α受容体
- 膀胱頚部から尿道にはα受容体が分布しており、尿道平滑筋の収縮に関与 (SP.818) (cf.プラゾシン)
シグナル伝達の経路 (GOO.238)
- 全て7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体
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なぜ私は私を虐待人にしがみつくん
- 英
- β-receptor, β-adrenergic receptor
- 同
- βアドレナリン作動性受容体 β-adrenergic receptor、βアドレナリン受容体 β-adrenoceptor
- 関
- アドレナリン受容体
[★]
- 英
- α-receptor
- 同
- αアドレナリン作動性受容体 α-adrenergic receptor、αアドレナリン受容体 α-adrenoceptor
- 関
- アドレナリン受容体、受容体
[★]
静脈内投与時の挙動
- 図:GOO. 243、First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203
- 血圧、心拍数はGOO. 243. 末梢血管抵抗は、First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203を参考にした
ノルアドレナリン | アドレナリン | イソプロテレノール | ||
心拍数 | ↓↓ | ↑ | ↑↑↑ | |
血圧 | 収縮期 | ↑↑ | ↑ | ↓ |
平均 | ↑↑ | - | ↓↓ | |
弛緩期 | ↑↑ | ↓ | ↓↓ | |
末梢血管抵抗 | ↑↑↑ | ↓ | ↓↓↓ |
- ノルアドレナリンとアドレナリンの受容体に対する作用の違い
- アドレナリンは、α1・α2受容体、β2受容体に対してノルアドレナリンより強く作用する
- β1受容体に対してはノルアドレナリンとアドレナリンのいずれも同等の作用を示す。
- First Aid FOR THE USMLE STEP 1 2006 p.203によれば、
- アドレナリン:α1, α2, β1, β2
- ノルアドレナリン:α1, α2, β1
- イソプロテレノール:β1, β2
アドレナリンの作用 (GOO.244)
- β2受容体とα受容体のアドレナリンに対する反応の閾値はβ2の方が低い
- 通常量(?)のアドレナリンでは、β2受容体に作用し、これを介した血管平滑筋の弛緩(骨格筋)がおこる
- これにより末梢血管抵抗が低下する。
- 平均血圧は変動しないので、圧受容器反射は起こらない
- β1受容体を介した作用と静脈還流量が増加により、心拍数・1回心拍出量・(二次的に心拍出量、左心室仕事量が増加)が増加
ノルアドレナリンの作用
- アドレナリンのようにβ2受容体を介した骨格筋に分布する血管の弛緩は望めない。
- ノルアドレナリンにより、α1, α2受容体を介した血管平滑筋の収縮がおこり、末梢血管抵抗が上昇する。
- β1受容体を介した心臓に対する陽性の作用により、心拍数・1回心拍出量が上昇する。
- これらにより、収縮期、弛緩期、および平均血圧が上昇する。
- 一回拍出量の増加により圧受容器を介して迷走神経が刺激され、徐脈となる
イソプロテレノール (GOO. 250)
- α1, α2受容体にたいする作用はほとんどなく、β1, β2受容体を介した作用のみ現れる。
- 従って、α2受容体を介した作用により、骨格筋の血管平滑筋を弛緩させ、末梢血管抵抗が低下する。
- 結果として収縮期、弛緩期、および平均血圧は低下する。
- β1受容体を介した心臓に対する陽性の作用により、心拍数・1回心拍出量が上昇する。
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精液の匂いがしますか?
- 英
- isoproterenol, ISP
- 化
- 硫酸イソプロテレノール isoproterenol sulfate, 硫酸イソプレナリン isoprenaline sulfate、塩酸イソプレナリン isoprenaline hydrochloride、塩酸イソプロテレノール isoproterenol hydrochloride
- 同
- イソプレナリン
- 商
- イソメニール、プロタノール。ストメリン(イソプロテレノール、デキサメタゾン、メチルアトロピン)
- 関
- アドレナリン受容体、受容体
- アドレナリン受容体アゴニスト
作用機序
- アドレナリンより強力なβ1、β2受容体アゴニスト
薬理作用
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- 1. 心収縮力増強(Positive inotropic)作用
- イソプレナリン塩酸塩は、交感神経のβ受容体に作用し、心収縮力を増強して、心拍出量を増加する。
- これに伴って、左心室駆出速度の増大及び左心室拡張末期圧の低下をもたらし静脈還流を改善し、心拍出量を更に増加するが、この場合の心筋酸素消費量の増加は比較的軽度である(イヌ、ヒト)3)~8)。
- 2. 心拍数増加(Positive chronotropic)作用
- イソプレナリン塩酸塩は、心臓の刺激伝導系に作用して心拍数を増加する。その作用部位は、上位中枢にあり、洞機能を亢進し、房室伝導を促進する作用が強いので心ブロック時に使用して洞調律に回復させる作用がある(イヌ、ヒト)3)5)~7)。
- 3. 組織循環促進作用
- イソプレナリン塩酸塩は、強力な心拍出量の増加とともに末梢血管の抵抗を減少して、各組織や重要臓器の血流量を増大するので、組織循環が促進される。これは異常に増加した乳酸値の低下や尿量増加がみられることからも確認される(イヌ、ヒト)9)~12)。
- イソプレナリン塩酸塩は、気管支平滑筋に作用し、気管支内腔を拡張する作用がある。また、そのdl体はアドレナリンの約10倍の強さをもっている(イヌ)13)。
動態
注意
禁忌
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- 1. 特発性肥大性大動脈弁下狭窄症の患者〔心収縮力を増強するため、左室からの血液流出路の閉塞が増強され、症状を増強させるおそれがある。〕
- 2. ジギタリス中毒の患者〔重篤な不整脈が起こる可能性がある。〕
- 3. カテコールアミン製剤(アドレナリン等)等との併用は避けること。(「相互作用」の項参照)
副作用
効能又は効果
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
添付文書
- プロタノールL注0.2mg/*プロタノールL注1mg
- [display]
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たばこを吸う人々から起こる事件
- 英
- dobutamine DOB
- 化
- 塩酸ドブタミン dobutamine hydrochloride
- 関
概念
- 比較的選択的なβ1受容体アゴニスト
- 心拍出量↑、利尿作用なし
- (-)isomer→α1受容体アゴニスト→昇圧
- (+)isomer→α1拮抗薬
- β受容体刺激作用は(+)の方が(-)より10倍高い
- ラセミ体として使用することで、昇圧が軽度
作用機序
- 強いβ1刺激作用→陽性変力作用、陽性変時作用。弱いβ2受容体刺激作用→末梢血管拡張。総じて、一回拍出量増加。心充満圧低:ICU.258
下。動脈圧は変化しない。心仕事量と心筋酸素消費量の増加を伴う。
薬理作用
- 心拍出量増加。末梢血管抵抗低下。
動態
適応
- ICU.258
- 収縮期機能不全による非代償性心不全 + 血圧正常
- 好ましくない:不全心筋(新仕事量やエネルギー必要量が既に高い)。非代償性心不全の急性期(→血管拡張薬の方がよい)
注意
禁忌
- ICU.258
- 肥大型心筋症
- 悪性の心室性頻脈性不整脈
副作用
- ICU.258
- 頻脈
- 心室性不整脈:良性のことが多い?
カテコールアミンの体循環に対する作用の比較
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- 英
- prazosin
- 化
- 塩酸プラゾシン prazosin hydrochloride
- 商
- ミニプレス Minipress
- 関
- αアドレナリン受容体遮断薬、アドレナリン受容体
GOO. 269.
分類
- 選択的α1受容体拮抗薬
薬理作用
- 末梢動脈の拡張→末梢血管抵抗↓→血圧↓(α1受容体遮断による) (SPC.249)
- 動静脈に働き末梢血管抵抗を減少させ、静脈還流量を低下させる (GOO.269)
- 心臓の前負荷を減らす。心拍出量と心拍数には影響を与えない (GOO.269)
- 反射性頻脈が少ない。(他の血管拡張薬では心拍数↑。hydralazine) (GOO.269)
- →前負荷減少、選択的α1遮断、さらには中枢神経に働いて、交感神経系の出力を抑制しているのかも (GOO.269)
ミニプレス
- プラゾシンは高血圧自然発症ラット、腎性高血圧ラット、DOCA高血圧ラットのいずれにおいても優れた降圧作用が認められている。
- プラゾシンの降圧作用はα受容体を遮断することにより末梢血管を拡張させ、その抵抗を減少させることによるが、従来のα遮断薬と異なり、シナプス後α受容体を選択的に遮断し、シナプス前α受容体にはほとんど作用しない。このためシナプス前α受容体を介するノルアドレナリン放出の負のフィードバック機構を抑制せず、過剰のノルアドレナリン放出をおこさないことがin vitroにおけるウサギ肺動脈の試験で認められている。シナプス後α受容体に対するプラゾシンの選択的な作用は本態性高血圧症患者に反射性頻脈をほとんどきたさないこと、レニン活性に及ぼす影響が少ないこと、長期連用による耐性発現がみられないこと10)などの特性に関連するものと考えられている。
適応
副作用
- 老人に多い
[★]
- 英
- nitroglycerin NTG, glycerol trinitrate, GTN
- ラ
- nitroglycerinum
- 商
- ニトロダーム、バソレーター、ミオコール、ジドレン、ニトロペン、ミニトロテープ、ミリステープ、ミリスロール、メディトランステープ
薬理作用
- 血管平滑筋への直接作用により、特に冠血管を拡張し心筋への酸素供給を増加し、また末梢血管を拡張して前負荷および後負荷を低下させ、心仕事量を軽減する。
- 還流静脈血量が減少するので、拡張期の心室血液量は減少(decreased right and left ventricular filling)
- [低用量]特に静脈を拡張させる → 前負荷の軽減。血管抵抗は不変なので前負荷が減少した分、心拍出量が低下する。動脈の拡張は冠状動脈、顔面の血管、髄膜の細血管でおこる。後者2者は副作用(顔面の紅潮、頭痛)を来す機序と関係。(PHD.414)
- [高用量]全身の細動脈と細静脈を拡張させる。これにより低血圧となり頻脈をおこす。けど、心不全の患者の場合はこれは起こらない(後負荷↓→十分なCO→交感神経緊張↓)。(PHD.414)
適応
- 労作性狭心症
- 異型狭心症
[★]
- 英
- adrenarine
- 同
- (国試)エピネフリン epinephrine、エピレナミン epirenamine、スプラレニン suprarenin
- 化
- 酒石酸水素エピネフリン
- 商
- Adrenalin, EpiPen、ボスミン、エピペン
- 関
- カテコールアミン、ノルアドレナリン、アドレナリン受容体
SPC. 61,68,86,142 GOO. 244
作用機序
薬理作用
血管作用
- 小動脈、前毛細血管括約筋?収縮
- アドレナリン反転 epinephreine reversal
- アドレナリン投与下にα受容体阻害薬を投与すると末梢血管抵抗が低下し血圧が低下する現象。α受容体を介した末梢血管収縮が抑制され、β2受容体を介した末梢血管平滑筋が弛緩することによる。
動態
適応
効能又は効果
(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
- 下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解
- 気管支喘息,百日咳
- 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
- 心停止の補助治療
注意
- 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること(エピネフリン注0.1%シリンジ「テルモ」添付文書)
禁忌
副作用
[★]
- 英
- phosphorus P
- 関
- serum phosphorus level
分子量
基準値
- 血清中のリンおよびリン化合物(リン酸イオンなどとして存在)を無機リン(P)として定量した値。
- (serum)phosphorus, inorganic 2.5–4.3 mg/dL(HIM.Appendix)
- 2.5-4.5 mg/dL (QB)
尿細管での分泌・再吸収
近位尿細管 | 70% |
遠位尿細管 | 20% |
- 排泄:10%
尿細管における再吸収の調節要素
臨床関連
参考
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