一般医学・健康関連最新情報 P.1 (1~30)
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30. 健康食品の効能と安全性
日本の国立健康・栄養研究所は、コエンザイムQ10、アガリスク、メシマコブ、サフラン、サメ軟骨、スッポン、納豆など健康食品の素材240種以上につい て、把握出来得る限りの研究論文や実験結果を集め、安全性や有効性などの情報を評価し、データベース化してホームページで公開した。
URLは、
(解説)健康食品と呼ばれるものの中には、商品化されてブームにまでなるものもあります。 しかし、その効 果や安全性については信頼出来る化学的なリサーチがほとんどされていない場合も少なくありません。 このデータベースは、製造業者・販売業者の宣伝ではな く、校正中立な立場で評価されており、安全性を確認するために有用であると思われます。 高額な健康食品の商品を購入する前に、参考までに確認されては如 何でしょうか。
29. 一般的な鎮痛薬で高血圧のリスクが上昇
ハーバード大学のJohn P. Forman, MD, PhDは、年齢34~77歳の5,000例以上の正看護師に関する詳細な情報を収集した2件の調査に基づく研究により、「タイレノール、アドビル、アリー ブなどの一般的な鎮痛薬が高血圧のリスクを上昇させる」と報告した。
この研究では、イブプロフェン(商品名:Advil, Motrin)、ナプロキセン(商品名:Aleve)および同種薬を一つの区分(NSAIDs)にまとめたが、NSAIDsを使用する女性の80%はイブ プロフェンを服用していた。 研究の結果、「1日あたり400mg以上のNSAIDsの服用により、高血圧のリスクが高齢女性において78%上昇、若年女 性でも60%上昇した」と述べている。
また、「1日あたり500mg以上のアセトアミノフェン(商品名:タイレノール)の服用では、高血圧のリスクが高齢女性において93%上昇、若年女性でも 99%上昇した」と報告している。 この研究ではアスピリンと女性の高血圧との関連は認められなかった。 しかし、アスピリンを頻繁に服用する女性では血圧が高いという傾向が認められた。
Forman博士は、「米国で最も多く使用されている二つの薬剤であるアセトアミノフェンとNSAIDsは、実質的に高血圧の疾患負荷(Disease burden)に貢献している可能性がある。 この知見は、女性が一般的な鎮痛薬を服用することについて、もう一度よく考えるべきであることを意味している。 個人レベルでは、これらの薬剤は非常に慎重に使用すべきである」と述べている。
(Forman, J.P. Hypertension, September 2005, Vol. 46, pp 1-8. からの抜粋)
(解説)この研究について、米国ジョージア州アトランタにあるエモリー循環器センターのリスク削減プログラ ム責任者、Laurence S. Sperling, MDは、WebMDで次のような所見を述べています。 「薬局で購入でき、医師の処方を必要としない薬剤は、我々が考えているほど安全ではないかもしれな い。 特にタイレノールには毒性がないと一般に考えられている。 我々は、定期的に使用する場合、あらゆる薬剤にリスクがあるということを認識しなければ ならない。」 そして、疼痛のある人に対し、「何が正しいかをよく考えなければならない、といつも言っている。 その薬剤よりも安全性の高いものがあれば 素晴らしい。 そのようなものが見つけられない場合、何らかのリスクを受け入れなければならない」と述べています。
米国食品医薬品局 (FDA)は2004年12月23日に、「長期服用で心臓発作の危険が高まると指摘された鎮痛薬セレブレックスとベクストラについて、処方は本当に必要な 場合に限定するよう医師に求める異例の勧告を発表。 鎮痛薬ナプロキセンについても同様の危険性がわかった」と発表した。 これらの鎮痛薬はいずれも非ステロイド系抗炎症剤で、セレブレックスとベクストラは胃腸の副作用が少ない新世代薬「COX-2阻害薬」です。
2004年9月、米製薬大手メルク社の鎮痛剤バイオックス(COX-2阻害薬)が心臓病発生率を高めるとして自主回収されたが、「バイオックスの副作用で 夫が死亡した」として女性が同社を相手取り起こした裁判で、2005年8月19日、テキサス州地裁はメルク社に総額2億5340万ドル(約280億円)の 支払いを命じる評決を下しました。
ここで理解すべきことは、鎮痛剤など医薬品は基本的に痛みの伝達を阻害することで痛みを感じなくさせるもので、痛みが起こった原因を取り除くものではな く、病気などを治すものではないこと、そして副作用があるということです。 医師も政府(FDA)も安易な鎮痛剤の使用を戒めていますが、では痛みのある 人達はどうすれば良いのでしょうか?
米国政府は、急性腰痛のガイドラインで西洋医学の投薬・手術・理学療法などよりも、「安全・効果的・安価」としてカイロプラクティックを勧めています。 外国政府の研究でも、頚部痛、頭痛など様々な症状に、カイロプラクティックや鍼灸の効果が高いことがわかっています。 また、情報化社会となり、医学情報 を入手することが容易になったことで、知識人や健康志向の人々を中心に、リスクの高い西洋医学を避け代替医療に答えを見出す人が増えています。 調査によ ると、1990年以降、西洋医学の医師への受診数よりも、カイロプラクティックや鍼灸などの安全で効果的な代替医療への通院数が顕著に多くなっています。
貴方は、手軽さを優先して、痛みや症状を和らげる為に薬と一緒に上記の副作用のリスクも飲みますか? カイロプラクティックや鍼灸など、自然で身体に優しい根本療法を受けますか?
28. 葉酸はアルツハイマー病のリスクを減少させる
カリフォルニア大学アーバイン校のMaria Corrada助教授(神経学)がニュースリリースで発表した研究によると、「葉酸の多い食事は、アルツハイマー病のリスク減少に有益である可能性がある」ということが判った。
研究者らは、アルツハイマー病を罹患していない60歳以上のボランティア579例(女性220例、男性359例)の食事を解析し、9年間追跡してボラン ティアらが摂取した抗酸化ビタミン(E、C、カロテノイド)及びビタミンB群(葉酸、B6及びB12)を含む食品の割合を調べた。 追跡期間に、被験者 57例にアルツハイマー病が出現した。
研究者らは、アルツハイマー病を発症した人の栄養摂取を、アルツハイマー病を発現しなかった人と比較した。 その結果「葉酸の摂取量が高い人ではアルツハ イマー病発症率が約60%低いこと」が判明した。 そして「葉酸摂取量(食事と栄養補助食品)の合計がRDAである400μg以上の高齢者では、アルツハイマー病発症リスクが55%減少する」と発表した。
Corrada助教授は、「葉酸は他の栄養素よりも有益に思われるが、全般的に健康的な食事がアルツハイマー病のリスク抑制に効果があるように思われるということを我々の研究の主な結論とすべきであろう」と述べている。
(News release, Alzheimer's Association. Maria Corrada, assistant professor of neurologu, University of California, Irvine News release, American Heart Association. Alzheimer's Society. Linus Pauling Institute. からの抜粋)
(解説)今回の研究で、葉酸がアルツハイマー病の発症リスク減少に有益であることが判明しましたが、重要なのはCorrada助教授が最後に述べられた「全般的に健康的な食事がアルツハイマー病のリスク抑制に効果があるように思われる」という部分ではないでしょうか。
葉酸は、心臓病の危険因子であるホモシステインの血中濃度を低下させることが示されており、葉酸およびビタミンB12の血 中濃度減少と共に、高い血中ホモシステイン濃度も脳卒中とアルツハイマー病に関連があるとされています。 しかし、心臓病と脳卒中のリスク減少のために、 全米に普及している葉酸補助食品を摂取することを米国心臓協会(AHA)は勧めていません。 同協会は、果物や野菜を1日当たり最低5単位を含む健康的な バランスのとれた食事を勧めています。
葉酸を豊富に含んだ食品は、青菜、アスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草などの緑黄色野菜、豆類、オレンジ、レバー、卵、牛乳などです。 葉酸は主にた んぱく質の合成に必要で、特に赤血球が作られるときに働きますから、葉酸が不足すると貧血になります。 貧血気味の女性は、特に鉄分と葉酸の摂取に気を付 けましょう。 栄養補助食品に頼らず、自然の食材でバランスよく摂取することが大切です。
27. 知能指数(IQ)の高さは人生の幸福感を保証しない
英国エジンバラ大学のAlan J. Gow, PhDらが英国医師会誌に発表した研究によると、1921年生まれのスコットランド人550人を長期間追跡調査し、11歳時と79歳時に知能テストを受 け、さらに「人生の満足度」テストも受けた結果、80歳時点での人生への満足度と、11歳或いは79歳での知能指数(IQ)の高さとの相関関係は統計的に 有意ではなく、知能が幸福とは関係しないことが示された。
知能には、よい仕事を得るための手段となるなどのプラスの面と、より大きな業績を求めてあがくなどのマイナスの面があり、どちらも幸福感に影響を与える が、Gow博士は、「知能以外の多くの要素が幸せかどうかに大きく影響し、知能は単に小さな要素の一つに過ぎない。 結局、年をとったときの幸福感に影響 するのは生活の質(Quality of Life)で、例えば寝たきりで歩き回ることが出来なければ、それが決定的要因になる」と述べている。
(British Medical Journal, July 17, 2005. からの抜粋)
(解説)幸せはお金で買えませんが、知能指数(IQ)が高いことも幸せな人生を保証しないことが報告されました。 結局、年をとったときに幸せな人生であるかどうかを左右する大きな要素は「健康であるかどうか」であるということのようです。 健康で食べたいも のが食べられ、自由に動くことが出来てしたいことが出来、趣味などの楽しみが実行出来るかどうか、「生活の質(QOL)」によって決まるということです。
「生活の質(QOL)」を高く維持する為に、そして「健康状態」を維持する為には、病気になってから薬や手術に頼るようなことのないようにしなければなり ません。 何らかの症状のある人は早期治癒のために、現在症状のない人は病気予防のために、予防医学としてのカイロプラクティックや鍼灸(東洋医学)の診 察とケアがお勧めです。 自然で安全なカイロプラクティックや鍼灸の真価は、こういった面でも発揮されます。
26. 記憶と学習に睡眠が有用
ハーバード大学医学部精神科の助教授で、Beth Israel Deaconess病院の睡眠・神経画像研究所の所長であるMatthew Walker, PhDの研究によると、記憶および学習が睡眠によって改善されたことが認められた。
肥満の原因となるレストランのチャート
Walker博士は、「脳がなすべき仕事には、新しい技術を記憶し、翌朝、効果的に使用出来るようにそれらを整理することが含まれる。 睡眠をとらなければ、それらの新しい課題を修得するのは困難さを増す可能性がある。 また、睡眠が脳損傷後の人々の回復を促進する可能性がある」とも述べている。
研究では脳のスキャン画像を調べたが、睡眠によって異なる脳活動パターンが認められた。 例として、速度と正確さをコントロールする脳の下部領域では、一晩睡眠を取った後、明らかにより活動的であった。 又、ストレスや不安のような感情に関与する脳の中心に近い領域では、一晩睡眠を取った後では活動性が低かった。
Walker博士は、「睡眠中に、あたかも記憶を脳内のより効率的な保存領域に書き写しているかのようである。 結果として、目覚めたときには、より迅速かつ正確に、そしてストレスや不安が少ない状態で、記憶作業を行うことが出来る」と述べた。
また、「人の発達において睡眠は重要な役割を果たすように思われる。 あらゆることがまったく新しい体験である子供達は、膨大な量の新しい教材を取り込んでいる。 乳児、小児やティーンエイジャーには、成人よりも多くの睡眠が必要である。 脳に十分な睡眠をとらせないまま、効率的に学習することは出来ない」と報告している。
(Walker, M. Neuroscience, June 30, 2005. News release, Beth Israel Deaconess Medical Center. からの抜粋)
(解説)私がパーマー大学時代に徹夜で勉強したにも拘らず成績が良くなかった原因が分かったように思います。 早めに勉強しておき、睡眠を取ってから試験に臨むべきだったのです。
24でも睡眠の重要性を報告致しましたが、やはり健康維持の面でも、学習の面でも、睡眠不足は大敵と言えます。 成人は最低6時間、子供さんは8~10時間は睡眠をとりましょう。
25. 禁煙にリスクが伴うという誤解が問題
エール大学付属学際的たばこ応用研究センター(TTURC)主任研究員で、エール大学精神医学科のSherry McKee助教授らの研究発表によると、禁煙にはマイナスの要因が伴うと、特に女性喫煙者らが信じており、この誤った認識が問題であることを報告している。
研究の結果、「禁煙すると体重増加、ストレス、集中力の低下、喫煙者との絶交などのマイナス要因(禁煙リスク)が伴うと思われており、喫煙者における禁煙 の動機と、成功率の双方を低減させていること。 禁煙リスクの認識と禁煙失敗の関係は、特に女性で強いこと。」が判明した。
McKee助教授は、「禁煙にはこうした誤解を払拭することが重要である。 これらの一連の禁煙リスクは短期的なもので、禁煙によって得られる恩恵は、禁煙中に生じるいかなる短期的不快感をも遥かに上回るものである。」と述べている。
(McKee, Sherry. Addictive Behaviors: 2005, 30; 423-435. からの抜粋)
(解説)たばこを止めることが健康に良いことは、多くの喫煙者の方はご存知でしょう。 しかし、禁煙には様々な弊害(禁煙リスク)があると思い込んでいて、禁煙に踏み切れなかったり、禁煙に挑戦しても失敗することに繋がるようです。
こうした誤解を捨て、禁煙によって長期的には大きな恩恵が得られることを理解したうえで、喫煙者の皆さんは禁煙を開始されては如何でしょうか。
24. 6時間以下の睡眠時間で糖尿病リスク増大
ボストン大学とVA ボストン ヘルスケア システムのDaniel J. Gottlieb, MD, MPHらの研究発表によると、「自発的な睡眠の制限が、糖尿病という大きな公衆衛生上の重荷の一因となっている可能性がある」ということだ。
研究によって得られた知見は以下のとおり:
一晩の睡眠時間が5時間以下の人では、糖尿病が2.5倍多く認められた。
一晩の睡眠時間が6時間以下の人では、糖尿病が66%多く認められた。
一晩の睡眠時間が9時間以上の人では、糖尿病が79%多く認められた。
Gottlieb博士は、「糖尿病患者または糖尿病リスクのある人では、十分な睡眠時間の確保が有用な可能性がある」と、また「過剰に長い睡眠時間も糖尿病との関連を示す理由は明らかになっていない」と述べている。
(Archives of Internal Medicine, April 25, 2005; Vol. 165: 836-868からの抜粋)
(解説)この研究では、睡眠時間は6時間以上9時間以下の範囲が適正な睡眠時間であると示しています。 これまでの他の研究でも、睡眠時間が6時間以下の場合脳の休息が不十分であり、起床後の作業能力の回復に影響が出ることが報告されている。 従って、健康を維持し、仕事や勉強の能力を保つためには6時間以上の睡眠時間を確保する必要があるのです。
レム睡眠とノンレム睡眠の周期が90分なので、最低6時間、理想としては7時間半の睡眠がさわやかな起床と身体のためには良いと言えるでしょう。 寝過ぎもまた身体には良くないようです。
23. 肥満が喘息の発症や増悪に関与
米国立衛生研究所(NIH)と米国立環境衛生科学研究所の助成を受けて、ハーバード大学公衆衛生学部のJeffrey Fredberg教授らが研究した結果、肥満が喘息の発症や増悪に関与することが確認された。
これまでにも、喘息発作で救急治療室を訪れる患者の約75%が肥満であることや、肥満が喘息に先行していることは既に複数の研究から示されていた。 しかし、肥満が喘息に影響を及ぼす機序についてはほとんど知られていない。
Fredberg教授らによると、「肥満群では肺の膨張が不十分で呼吸量も少ないため、軌道が狭くなりやすい。 そして、肥満群では脂肪組織に起因すると 考えられる低度の慢性的な全身性炎症が認められる。 この炎症が気道平滑筋に及ぶと気道が過度に狭くなる恐れがある。」 そして、「レプチン等の脂肪組織由来ホルモンの血中濃度の差が気道に影響している可能性がある。 レプチンは炎症誘発性であり、肥満群では痩身群よりもレプチン値が高い。 また、抗炎症作用を有するアディポネクチンの血中濃度が肥満群で低いことが明らかになっている。」ということだ。
Fredberg教授は、「肥満は様々な経路で肺機能に悪影響を与える恐れがあるが、いずれの経路についても解明が十分ではない。 肥満と喘息の関連についても、さらなる研究が必要である」と述べている。
(Journal of Allergy and Clinical Immunology. 2005, 115: 925-927からの抜粋)
(解説)肥満が健康に及ぼす悪影響は、これまでにも様々な報告がありましたが、今回は喘息のリスクを上げる恐れがあるとするものです。 バランスの取れた食事を適量に摂取し、運動する習慣を身につけて適正体重を維持するように心掛けましょう。
22. 小児の慢性腹痛のほとんどは機能性障害に起因
小児や青年の慢性腹痛に対する診断と治療は困難である場合が多く、身体的苦痛と不安により患児と家族は日常的活動能力が阻害されている。 こうした状況を受けて、米国小児科学会(AAP)はエビデンスに基づく新しいガイドラインを発表した。
新ガイドラインでは「一般に小児の慢性腹痛は器質性疾患ではなく、機能障害に起因しているが、多くの誤解や医療関係者の知識不足、不適切な知識の応用などが、有効な管理の欠落に影響している」と指摘している。
新ガイドラインでは、具体的に推奨する8項目を発表したが、その注目すべきものには以下のものがあった:
(1)一般にプライマリーケア医は、専門医の診断学的追検査がない場合でも、(A)患児が4~18歳で、(B)身体所見が正常で便潜血反応が陰性など警戒すべき症状や徴候がないならば、機能性腹痛と正確に診断が可能。
(2)治療には家族に対する教育を含め、症状を要約して平易な言葉で説明し、重度の疾患と関連しているケースがまれな「頭痛」を例にして、痛覚過敏の説明 をする。 学校の試験やスポーツ大会の前といったストレスの多い状況で患児が経験する下痢や嘔吐は、脳と内蔵の相互作用であることを説明する。
(3)疼痛の完全消失ではなく、正常な機能の回復に集中した妥当な治療目標を設定し管理すべきである。
(4)薬剤治療は、多角的な個別アプローチの一環として、慎重に使用する。
(Pediatrics. 2005. 115: 812-815 からの抜粋)
(解説)このガイドラインで注目すべきキーワードは、「痛覚過敏」、「ストレス」、「脳と内蔵の相互作 用」、「正常な機能の回復」、「薬は慎重に」などです。 これは当に神経系の障害による機能不全を示しています。 そして、カイロプラクティックはこういった機能不全の原因となる神経系の障害を取り除く唯一の専門職です。
子供さんがしばしば腹痛を起こすなら、親御さんは過剰に心配してすぐ痛み止めなどの薬をむやみに与えず、心配なら医師に受診して機能性腹痛と診断されれば、その後はカイロプラクティックのケアを受けさせることが賢明でしょう。
21. カフェイン入りソフトドリンクが小児に悪影響
2005年米国精神医学会年次集会で、嗅覚味覚療法研究財団(シカゴ)の責任者であり、ラッシュ医科大学(シカゴ)の神経学及び精神医学の助教授Alan R. Hirsch, MDが首席治験医師を務めた研究が発表された。
小学1年生の小児を対象とした小規模な二重盲検試験において、カフェイン入りコーラを摂取した日は、カフェイン抜きドリンクを摂取した日よりも小児の行動 に多くの問題が認められた。 Hirsch博士は、「注意力散漫な、落ち着きのない、睡眠障害のある小児について両親や教師が苦情を訴えている場合、医師 は注意欠陥多動性障害(ADHD)のスクリーニングを行う前に、学校の自動販売機や家庭の冷蔵庫のカフェイン入りソフトドリンク摂取を考慮に入れるのが賢 明である」と報告している。
(2005 American Psychiatric Association Annual Meeting. Abstract NR45. Presented May 23, 2005からの抜粋)
(解説)コーラなどのソフトドリンクは、糖分が多くてカロリーが高く肥満などの原因にもなり健康上問題があることはこれまでにも報告されていましたが、今回はカフェインによる影響で小児の行動障害が起こることが証明されました。 成長期である小児には、清潔な 水や、果汁100%のジュースなどを飲ませたいものです。
20. 朝食抜きが体重増加や心疾患に直結
朝食抜きは、長期的に健常人の心疾患のリスクを増大させると同時に、体重増加をもたらす可能性があることが、研究者によって報告された。
朝食を2週間抜いた健常女性は、毎日朝食を取った女性と比較して、その日の残りの時間により多く食べており、「悪玉」のLDLコレステロール値が高く、インスリン感受性が低いことが判明した。 LDLコレステロール値が高いこと、およびインスリン感受性の低下は、両者とも心疾患の主要なリスク因子である。
本研究では、女性らが朝食を取った場合、朝食抜きの女性らと比較して1日の摂取カロリーは約100カロリー少ないことが判明した他、朝食を取った女性は摂食に対するインスリンの反応性も高く、糖尿病のリスクが低いことが示唆された。
(Farshchi, H. American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 2005, Vol. 81, 388-396 からの抜粋)
咳止めシロップのクランクドリンク
(解説)朝食は一日をスタートする大切なエネルギー補充であることはこれまでにも言われて来ましたが、朝食を抜くことが心疾患のリスクを増大させると同時に、体重増加をもたらす可能性があることが報告され、益々朝食の重要性が判明して来たと言えます。 ダイエットのために朝食を抜く女性もいらっしゃいますが、それが逆効果であるばかりか、健康上の問題になることが判ったことも意義があります。
19. せっけんと流水による手洗いが最も有効
米国ノースカロライナ州の感染管理・疫学プログラムの助成を受け、ノースカロライナ大学保健医療システム・公衆衛生学部の疫学者Emily E. Sickbert-Bennett博士らが行った、これまでで最も包括的かつ最大規模の手洗い用製剤比較調査の結果が発表された。
Sickbert-Bennet博士らは、成人ボランティア62例を対象に14種類の手洗い用製剤の細菌・ウイルス除去効果を調査した。 細菌とウイルスの除去効果を同時に調べた研究は初めてであり、また、わずか10秒間の手洗いで手洗い用製剤の効果を調査するのも初めてであった事からも意義がある調査である。 何故なら10秒間というのは、多忙な医療従事者が医療施設で手指の洗浄や消毒にかける平均的な時間であり、現実的であるからだ。
その結果は、「手指に付着した細菌を減らすには抗微生物製剤が最も有効であったが、一部のウイルスは消毒剤に比較的強いため、病原ウイルス除去効果は従来のせっけんと流水による物理的除去が最も有効であった」としている。
また、共同研究者で同大学内科のWilliam A. Rutala教授は、「医療関連感染による死亡者は年間9万人に達し、米国における死因の5位までに入っていることから、今回の知見は重要である」などど述べている。
(Emily E. Sickbert-Bennett. American Journal of Infection Control. 2005, 33 : 67-77 からの抜粋)
(解説)この研究は、基本的には医療従事者向けの情報です。 何故なら、Rutala教授が指摘したように米国では病院内で感染したことが原因で死亡する医療関連感染による死亡者が年間9万人にも達し、西洋医学に対する信頼低下の原因ともなっているからです。
しかし、一般の皆さんが家庭や職場においての衛生管理と病気の予防の観点からみても、薬剤抵抗性のある菌をこれ以上増やさない意味からも、トイレの後や、食事の前などの手指の洗浄には従来の石鹸と流水による手洗いが最も効果的であることを認識することは重要でしょう。
そして、カイロプラクティックや鍼灸などで体の手入れをしていれば、体が本来持っている免疫力が十分に働きますから、一般的な菌やウイルスを神経質に恐れる必要はないものです。
18. ゴルファーのショートパット恐怖症の原因
ショートパット恐怖症とは、ゴルフのスラングで「手首などが過度の緊張から無意識に不意に動くこと」を指し、この症状に冒された人の動きは、パッティング をする時に関節の震えや曲がり等を伴って起こる。 このショートパット恐怖症は、しばしばプロ・ゴルファーの選手生命に終止符を打ち、アマチュア・ゴル ファーからもその楽しみを奪い取るものだ。
アリゾナ州のメイヨー・クリニックの運動障害部門の責任者、神経学教授で筆頭研究者である、Charles H. Adler, MD, PhD は、第57回米国神経学会において「ショートパット恐怖症」はあがり症のせいだと思われることが多いが、そうではなく、局所的なジストニア(筋緊張異常)のためである可能性があると発表した。
Adler博士は、「この状態が潜在的な局所的ジストニアに起因するという可能性は、ゴルフだけに留まらぬ意味を持つ。 手の動きの制御が必須である職業 などにおいて、不随意なれん縮が起きるという所見があれば、その根本原因は局所的ジストニアであるという疑いが持たれる。」と述べた。 また、「局所的ジ ストニアは、抗痙攣薬などの経口投与が有効な場合もあり、医師は診察を必要とするが、運動障害を専門とする神経科医に適宜紹介する必要がある。 治療内容 は個々の状況に合わせ、患者を薬剤で治療することには、その副作用に見合うだけのベネフィットがあるかどうかを判断する必要がある。」としている。
(American Academy of Neurology 57th Annual Meeting: Abstract P06. 146. Presente April 14, 2005 からの抜粋)
(解説)ゴルフでパターのコントロールが決まらず、成績不良でハンディキャップが悪化している人は、ショー トパット恐怖症かも知れません。 それは精神的な緊張からくるものではなく、神経的な問題であるとAdler博士の研究発表では言っています。 ゴルフの 調子が良くない人は、薬の副作用のリスクを試す前に、筋骨格系と神経系のエキスパートであり、自然で安全なカイロプラクティックの診察を受けるのがお勧め です。
17. 90分の歩行で血管機能改善
英国グラスゴー大学のJason M. R. Gill博士らの研究によると、90分の歩行運動がトリグリセライドを減少させて血管機能を改善させるなどの効果をもたらし、その効果は脂肪分の多い食事を摂っても翌日まで持続していた。
Gill博士は、「わずか1回の速歩での散歩により、脂肪分の多い食事を摂った前後数時間の血管機能が有意に改善された。 運動はやせた人、肥満の人にかかわりなく同程度で、食事によって体内に入った脂質を処理する機能を高める。」と延べ、「運動によってトリグリセライド値が脂肪分の多い食事の前後で 25%下がり、この反応はやせた人でも肥満の人でも同等に見られた。」としている。
また、博士は「以前の調査では、わずか30分の運動でも脂肪分の多い食事後の血中脂質反応に良い効果があることや、1回の時間は短くても1日に2~3回運動すれば長い運動1回の効果と同じだったことが証明されている。 運動はどんな形態でも効果が得られる。 運動時に燃焼するカロリー量が多いほど効果も大きく、2倍運動すれば効果も2倍となる。」と述べている。
(Journal of the American College of Cardiology. 2004, 44: 2375-2382 からの抜粋)
(解説)定期的な運動が健康にとって重要なことはこれまでも報告されてきましたが、今回の報告ではわずか1回の運動でも効果があるということです。 したがって、「続けて運動できないから、やっても同じ、無駄だろう」と思わず、1回でも、たとえ僅かな時間でも、機会を作って運動することが健康によい効果があるということです。 速足で歩くだけであり、道具もお金も必要ありません。 さあ、これを読んだら早速歩いてみませんか。
16. ヨーグルトを食べると体重と体脂肪減少に効果
肥満だがそれ以外に健康上に問題のない成人38人を対象に12週間の食事管理による研究によると、ヨーグルト・ダイエット群の被験者の体重と体脂肪減少がコントロール群と比較して顕著であることが報告された。
研究では、ヨーグルト・ダイエット・グループの被験者は、成人の栄養所要量から500カロリー少ない量の栄養で、6ozのFat-freeのヨーグルトを 一日3個摂り、1,100mgのカルシウムを一日に摂取した。 コントロール・ダイエット・グループの被験者は、成人の栄養所要量から500カロリー少ない量の栄養で、0個~1個のデイリープロダクト(チーズ等の乳製品)を摂り400~500mgのカルシウムを摂取、そしてプラセーボ(偽薬効果)として Sugar-free, Calcium-freeのゲラチンを一日3個摂取した。
12週間後、どちらのグループも栄養所要量から500カロリー少ない事で全員が体重と体脂肪の減少がみられた。 しかし、ヨーグルト・ダイエット・グルー プの被験者はコントロール・ダイエット・グループの被験者と比較して、赤身の組織減少は31%少なく、体幹の脂肪減少は81%増大するなど、脂肪減少とウ エストのサイズ減少に顕著な差が出たとしている。
(Zemel MB, Richard J, Milstead A, et al. Dairy augmentation of total and central fat loss in obese subjects. International Journal of Obesity. 2005; 29: 391-397からの抜粋)
(解説)ヨーグルトの摂取と、1,100mgのカルシウムの摂取、栄養所要量から500カロリー少ない量の 摂取が体重と体脂肪の減少、特に胴まわりの脂肪を落とすのに効果があるようです。 しかし、健康を維持しながら体重を落とすには、栄養のバランスを崩さないことが大切です。 カイロプラクティックで身体の調整をし、運動をして活動的な生活習慣にしながら、この様な食事による体重管理をすると良いのではない でしょうか。
15. 赤身肉や加工肉の長期多量摂取は結腸直腸癌リスクを増大
米国癌協会(ACS)疫学研究部門責任者のMichael J. Thun博士らによる、50~74歳の成人14万8千例以上を20年間追跡した研究によると、赤身肉やサラミなどの加工肉を長期にわたり多量に摂取すると、結腸直腸癌リスクを50%増大させることがわかった。
この研究では、赤身肉の多量(最大)摂取を1日3オンス(約85g)以上、女性で1 日 2オンス(約57g)以上の摂取と定義。 加工肉の多量摂取は男性で週5~6日以上、女性で週2~3日以上の摂取と定義。 赤身肉と加工肉を週3回未満しか摂取しないグループを最小摂取群とした。
家禽や魚介の長期摂取は、結腸直腸癌リスクの減少と関連していた。
(Journal of American Medical Association, 2005, 293: 172-182からの抜粋)
(解説)この研究によって赤身肉や加工肉の長期多量摂取は結腸直腸癌リスクを増大させることがわかった訳で すが、だからと言って赤身肉や加工肉を全く摂取してはならない訳ではありません。 家禽や魚介の長期摂取は、結腸直腸癌リスクの減少と関連していることも 報告されていることですから、赤身肉や加工肉を少し減らして家禽や魚介を少し増やすように努めれば良いでしょう。 バランスが大切ですから、好きなものばかりを食べないようにすることが基本です。
14. 体重増加で痛風のリスクも増加
マサチューセッツ総合病院のHyon K. Choi, MD, DrPHらの研究で、12年間にわたり47,000例以上の中年男性のデータを収集した結果、男性の体重が増えるほど痛風のリスクが増すことがわかった。
痛風は、飲酒のほか肉や魚介類に含まれるプリン体を多く含む食物の摂取も原因とされているが、Choi博士によると食事に関係なく、体重が増える男性は痛 風になりやすいことを見出した。 体重が増えていない男性と比較して、肥満度指数(BMI)25以上の体重超過の男性は2倍、肥満の男性では3倍痛風のリ スクがあるという。 また逆に、約4.5Kg以上の体重減少は痛風リスクを40%も低下させることを報告している。
また、体重以外に、高血圧も体重と同様に痛風のリスクを増すこと、そして高血圧の治療に用いられる利尿薬によって痛風のリスクが2倍になることも報告している。
(Choi, H. Archives of Internal Medicine, April 11, 2005, Vol. 165: pp 742-748. からの抜粋)
不安に関する研究
(解説)体内の尿酸が多くなると痛風になります。 だいたい足の第一中足指節関節(MP関節:拇指の付け 根)に尿酸の結晶が蓄積して関節が腫れ、痛風発作が起こると激しい疼痛が生じます。 治療をしなければ、発作の頻度や重症度が悪化して再発します。 痛風 になってからでは遅いですから、カイロプラクティックで身体のコンディションを整え、活動的な生活習慣を実践して体重の管理をすることが予防につながります。
13. 米国の医療基金は2020年に破たん
3月23日にアメリカ合衆国政府が発表した2005年版の年金・医療財政報告書によると、米国では勤労世帯が支払う社会保険料を信託基金に積み立て、高齢 者などの年金給付や医療費を賄っているが、高齢化の進展などによる影響で、年金給付や医療費を支払う信託基金の財政が悪化し破綻すると予測した。
報告書によると、2004年末時点の基金残高は、医療が2693億ドル、年金が1兆6868億ドルだが、医療基金は2012年から、年金基金は2017年 から支出が収入を上回り残高が減り始め、医療基金は2020年に、年金基金は2041年にそれぞれ破たんすると予測している。
(2005年版の年金・医療財政報告書/アメリカ合衆国政府/3-23-2005からの抜粋)
(解説)日本と同様に米国でも社会の高齢化に伴う医療費高騰が社会問題となっています。 医療基金が破たん すれば、いえ、その前から医療費の支払いが厳しくなり、医療費は最終的に患者の自己負担となります。 普段の健康管理や病気の予防を怠り、生活習慣病など のリスクが高い生活をしている人は、将来的に高い医療費を自分で支払わなくてはならなくなる恐れが現実化してきました。
病気になる前に、症状が出る前にカイロプラクティックで身体をチェックし、病気の予防をしておけば、健康を維持出来て楽しい人生を送れて、結果的に自己負担の医療費の削減にもなります。 予防に勝る治療はありません。
米国の知識人や財界人・芸能人・プロ競技選手などは、すでにカイロプラクティックを健康管理に活用しています。 予防医学としてのカイロプラクティック・ケアについて、カイロプラクターにご相談されては如何でしょうか。
12. 喫煙は膵癌に深く関与
イリノイ州エバンストンのノースウエスタン大学フェインバーグ医学部のRandall Brand准教授らは、18,346例の膵癌患者の医療記録を解析した結果、「喫煙者は非喫煙者よりも10年早く膵癌を発症する」と消火器癌シンポジウム2005において発表した。
Brand准教授は、「今回の解析結果から、喫煙は膵癌における発癌と進行を促進する因子であることが強く示唆された」と述べた、また「我々の知る限り、 今回の結果は喫煙が膵臓における腫瘍形成に早い段階から関与していることを明確に示したエビデンスとしては初めてのものである。 この結果は、喫煙の回避 や禁煙の追い風になるであろう」と述べている。
アメリカ合衆国では、年間31,860人が新規に膵癌を発症し、31,279人が死亡する。
(Medical Tribune. Feb.17, 2005. Vol. 38 No. 7. P. 01からの抜粋)
(解説)喫煙は百害あって一利なし。 健康に悪いだけでなく、女性の美容にも有害であることが解っています。
11. 女性のストレスと生理痛
職業と環境医学ジャーナルにDr.Wangの研究が発表された。 388人の20~34歳の若い女性を対象に、合計で1,000回を越える生理期間を追跡調査したものだ。
この研究によると、約44%の女性が少なくとも2日間の腹痛か腰痛を特長とする痛みを伴った生理期間を経験している。
そしてこの研究で判明したことは、生理前の1ヶ月に高いストレス・レベルにあった女性は、低いレベルであった女性に比べ2.4倍の確率で生理痛を伴う、また中程度のストレス・レベルであった女性は1.2倍の確率で生理痛を伴うことである。
研究者は「生理痛のある女性は、ストレスを低減するようにすると良い」と助言している。
(Wang L: Journal of Occupational & Environtal Medicine. Dec. 2004. 61: 1021-1026. からの抜粋)
(解説)生理痛の辛さは女性にしか分からないものです。 しかし、結構多くの女性が生理痛を訴えているので「生理痛があるのが普通」と思っている方も少なくありません。 でも、正常であれば生理痛は無い筈のものなのです。
これまでカイロプラクティックがストレスに効果があることや、生理痛など婦人科疾患にも有効であることなどがそれぞれ報告されていました。 生理痛のある 女性は、副作用のある薬で症状をごまかさず、安全で効果的、そして根本療法であるカイロプラクティックを試されては如何でしょうか。
10. 子供のかぜに抗生物質は有害無益
昨年11月に日本小児呼吸器疾患学会と日本小児感染症学会がまとめた小児呼吸器感染症診療ガイドライン2004には、普通感冒には「抗生物質の使用は有害無益で適応がないとする報告が多い」と明記され、他のかぜについても「抗生物質は原則不要」とされた。
このガイドラインは肺炎の解説に重点を置いているが、かぜ(上気道炎)についても普通感冒(鼻咽頭炎:いわゆる鼻かぜ)、咽頭炎・扁桃炎(発熱やのどの痛み)、クループ症候群(犬の遠吠えのような咳、声枯れ)に分類した。
そして子供の風邪(普通感冒)に対しては、ウイルス性なので抗生物質は効果がないばかりか、骨や歯の形成を妨げたり、関節障害を引き起こしたりする恐れもあり、また不要な抗生物質の乱用によって「抵抗菌」をつくる原因になるなど有害無益としている。
咽頭炎・扁桃炎やクループ症候群など他の風邪も多くがウイルス性であり、溶連菌感染や一部の細菌感染を除き抗生物質の使用は不要としている。
(小児呼吸器感染症診療ガイドライン2004からの抜粋)
(解説)子供が風邪を引き熱を出したり咳をすると、親としては何かしてあげたいと思い、直ぐに薬を飲ませたり病院に連れていき抗生物質の処方を受けたりしがちです。 しかし、それは正しい対応ではありません。
熱が39度を越える高熱の場合や、発熱に加えて発疹・リンパ腺の腫れ・頭痛・腹痛などの症状を併発している場合、1日に何度も吐いたり下痢をする場合、視 線が合わない・眠りがちなど様子がおかしい場合、そして咳がひどくて眠れない場合などのケースでは病院に行く必要があるでしょう。
しかし、風邪を引くのは抵抗力が低下している(または弱い)からであり、また風邪を治すのは自然治癒力(恒常性)です。 従って、風邪を引いたら先ず安静 にして休養・睡眠を十分に取らせ、ビタミンを多く含む消化のよい食事で栄養を取らせることです。 脱水症状を防ぐため水分を十分与え、経過を観察しましょう。
これは大人も子供も同様です。 抗生物質が風邪の症状改善に効果がなく、二次感染の予防効果の役に立たないことは海外の研究でも既に周知のことです。 抵 抗力が低下した原因が神経系の機能を妨害する脊柱の不整列(サブラクセーション)であることが多いので、風邪気味だなと思ったら先ずカイロプラクティック のチェックをお勧めします。
9. 野菜・果物・乳製品の効用
野菜・くだもの・乳製品などを多く摂取する健康的な食事が体力維持や金銭管理能力などに有効な可能性が報告された。
ノースカロライナ大学の疫学研究者Denise K. Houston, PhDは、研究開始時点で健康かつ体力のある44~64歳の被験者940例について、健康的な食事の重要な3要素(野菜・くだもの・乳製品)が中年の男女 にどのような影響を及ぼすかを9年間にわたり調査した。
9年後に各被験者に対して、階段昇降や約5kgの物の持ち上げなど種々の身体活動能力の測定や、家庭での雑用、金銭管理などふだんの日常的な活動について も評価した。 その結果、野菜・くだもの・乳製品などを多く摂取する健康的な食事を摂っていた人は身体的に強く、さらに金銭管理や日常的な活動でも優れて いた。
(Houston, DK: American Journal of Clinical Nutrition, Feb. 2005からの抜粋)
(解説)人間は食べ物からエネルギーを摂取して身体と生命を維持しています。 健康に生んでもらっても、その後の食生活が不健康では健康な身体を維持することは困難です。 好き嫌いや偏食をせず、バランスのとれた新鮮な食材を摂取するようにしたいものです。
野菜やくだものにはビタミンなど抗酸化物質が豊富であり、乳製品にはビタミンDやカルシウムが豊富に含まれています。 新しい食事ガイドラインでは、野菜2~8皿、果物2~5皿、乳製品2~3杯を毎日摂取することを勧めています。
8. 子供の鉄分欠乏に注意
アメリカ合衆国では、約200万人の子供達がAttention Deficit Hyperactivity Disorder (ADHD)(注意力欠如・過剰行動性障害)の疑いがあると言われている。 フランス人の研究者達が、ADHDと診断された4~14歳の53名の子供と、 27名の健康な子供達のグループを対象に鉄分のレベルを比較検討した。
その結果、「ADHDと診断された子供達の内84%で鉄分レベルに異常がみられ、健康な子供達のグループでは対照的に18%であった。 これらの結果から、鉄分供給・備蓄が少ないことはADHDの一因となりうる。 また、鉄分の補給がADHDの子供達にとって有益であろう」としている。
(Konofal E, Lecendreux M, Arnulf I, Mouren MC. Iron deficiency in children with attention-deficit/hyperactivity disorder. Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine. Dec. 2004, 158: 1113-1115.からの抜粋)
(解説)上記のADHDの他にも、特に女性は鉄分が欠乏すると鉄欠乏性貧血になりやすいので気を付けましょ う。 鉄は赤血球中のヘモグロビンの合成に必要であり、吸収率は非常に低く欠乏し易いので十分な摂取が大切です。 成人の一日の所要量は、男性が 10mg、女性は12mgと女性の方が沢山必要です。
鉄分を多く含む食材は、赤ワイン、あさり、カツオ、鶏卵、ごま、さば、そば、大豆、豆腐、納豆、ひじき、羊肉、ブロッコリー、まぐろ、レバーなどです。 ビタミンCは鉄分の吸収を助けてくれるので一緒に摂ると良いでしょう。 食物繊維やタンニンは鉄分の吸収を阻害するので、タンニンを含む紅茶、緑茶、コー ヒーなどは食事時には避けたいものです。
7. 高血圧のリスクは活動(運動)で低減
大阪大学医学部の中西範幸博士らが日本人男性約2,500人を対象に7年間研究した。 被験者は全員が日本の某大手建設会社に勤務するホワイトカラーで、年齢は35~39歳、研究開始時点において高血圧・心臓疾患を有していない者であった。
被験者の1日の過ごし方を正確に把握し、そうした生活習慣が長期的に血圧に影響を及ぼすかどうかを明らかにするため、睡眠、休憩、会話、食事、立位、運転、事務仕事、入浴、身支度などの活動内容を15分毎に区切られた1日の活動一覧表に記入して報告した。
その研究をまとめた結果は、「普段からほんの少し多く動くことが、実際に血圧に有効な可能性がある」というものであった。 特に中年男性は、日常を活動的に過ごせば高血圧が避けられる可能性がとても高くなる。
7年間の研究期間中に2,500人中の1,079人(約43%)が高血圧と診断された。 高血圧になるかならないかという違いは、日常の活動習慣に起因し ていた。 つまり、高血圧になった人達はあまり身体を動かしていなかった、またこうした人達は本研究の開始時点において血圧が比較的高い傾向をもってい た。
高血圧を発現するリスクは、本研究開始時の血圧の高さとは関係なく、日常生活の活動量が多くなるにつれて低下した。 また、喫煙、年齢、飲酒、肥満指数 (BMI)、高血圧の家族歴、定期的な運動習慣などの高血圧になる可能性に影響を与える他のリスク因子を考慮に入れても、こうした結果は変わらなかった。
(Nakanishi, N. Archives of Internal Medicine. Jan. 24, 2005. Vol. 165. 214-220. からの抜粋)
(解説)中高年になると気になるのが高血圧。 高血圧は脳卒中など他の病気のリスクも高くなりますから、日 常生活で可能な限り身体を動かすよう気を付けたいものです。 高血圧の薬は、利尿作用や血管拡張作用などで血圧を下げているだけで、根本的に治す薬はあり ません。 既に高血圧と診断されている方も、副作用の恐れがある薬に頼らず、活動的な日常生活習慣に心掛けましょう。 カイロプラクティックで身体の大黒柱である脊柱を整えてから積極的に運動されてはいかがでしょう。
6. サプリメントの効果過信に注意
農水省や農協などでつくる「朝ごはん実行委員会」によるアンケート調査が昨年11月にインターネットで実施され、全国の20代の独身女性約730人から回答があった。 結果は以下の通り:
サプリメントの利用頻度:
たまに利用:29.0%
ほとんど毎日利用:27.6%
週に何回か利用:13.4%
サプリメントの内訳(複数回答)は:
錠剤・カプセル:84.2%
固形・スナック:25.4%
ゼリー飲料:17.6%
飲料:15.0%
しかし、その一方で朝食を毎日食べている人は51.0%と約半数で、4年前のアンケートから6.3ポイント減少した。
若い女性の健康志向の高まりがうかがえる反面、サプリメント偏重の傾向もあることから、女子栄養大大学院の足立己幸(あだち みゆき)教授は「しっかりした食生活があってこそ、サプリメントの効果が生まれる」と注意を呼びかけている。
(共同通信社:2005年1月12日 からの抜粋)
(解説)サプリメントとは栄養補助食品です。 あくまでも食事で十分摂れなかった栄養を補うものであって、 食事の代わりになるものではありません。 また、サプリメントの効果・効用や副作用などに関する科学的な証明が不十分であることからも、その過信と過度の 使用には注意が必要です。
人間の体は、全て食べたものを原材料として作られています、できるだけ加工されていない自然なものを食べたいものです。 ビタミンCなども、ミカンやキウイフルーツなどを食べる方が安全で効果的といわれています。
5. 運動をやめると認知機能が低下する
オランダ国立公衆衛生環境研究所のBoukje M. van Gelder博士らは、1900~1920年に生まれたオランダ、イタリア、フィンランドの295名の男性高齢者を対象に1990年から行っていた研究の結果を発表した。
散歩、サイクリング、スポーツ、庭いじり、農作物栽培、その他の趣味などの身体を動かす活動の期間と程度に関する認知機能をMini-Mental State Examinationを用いて測定した。
その結果、調査開始10年後に運動レベルが低下した男性では、同程度の運動レベルを調査中維持した男性と比較して、認知機能が3.6倍も多く低下したことが判った。
結論として博士は「高齢者が身体を活動的に保つことは脳活動も適正に保たれる事、運動の継続によって加齢による認知機能低下を抑える効果があるようだ」としている。
(Neurology: 2004, 63. 2316-2321. からの抜粋)
(解説)高齢になると身体機能の低下が悩みのタネになりますが、適度な運動を維持することで、肉体的な機能と脳の機能の両方の低下を抑えることが出来るようです。 カイロプラクティックで身体の状態を整えながら、楽しく運動や趣味などで活動されては如何でしょうか。
4. 重い荷物で負傷しないために
学校へ通う児童のバックパックが重すぎると傷害の原因となる旨の警告が出されたのは最近のことですが、今回は成人に対する注意です。
米国整形外科医学会学術審議会のJames Weinstein議長によると、2003年には51,800例以上の手荷物に起因する傷害が、病院などの医療機関で治療された。 身体に比べて重すぎる 荷物を扱うこと、運び方や持ち上げ方が間違っていることが原因で、首・肩・背中の傷害が多く認められた。
荷物によって負傷しないための注意事項は以下の通り:
1.持ち手付きの軽量なかばんを購入する
2.バックパックの場合、パッド付きの調節可能な肩ひもが両肩用(2本)付いているものを使用する
3.詰め込みすぎない
4.重い荷物を長時間運ばない
5.脚の筋肉を使って荷物を持ち上げる
6.荷物を持ち上げたり運んだりするときは体をひねらない
7.必要に応じて他の人に助けを求める
(Medical Tribune. Jan. 13, 2005. Vol.38 No.2: P.22 からの抜粋)
(解説)余計なケガをして体を傷付けないためにも気を付けたいですね。 5.の脚の筋肉を使うというのは、 腕や上体(背中)の筋肉に負担を掛け過ぎないよう、背筋を伸ばしてしゃがみ、荷物を体に出来るだけ近く引き寄せて、脚で立ち上がるように持ち上げることです。脚を伸ばして上体を前へ倒し、背筋を使って荷物を持ち上げることは避けましょう。
3.ホルモン補充療法が脳卒中のリスクを上昇させる
英国医学ジャーナルに掲載された論文によると、ホルモン補充療法が脳卒中、特に虚血性脳卒中のリスクを上昇させることに関与していることを報告している。 この結果は、これまでにも報告されてきたホルモン補充療法が脳卒中のリスクを上昇させることを確認するものである。
英国ノッティングハム大学、女王の医学センター神経科学研究所、脳卒中科のPhilip Bath教授らによる、39,769名を対象とした28の研究の再考調査の結果は以下の通り:
1.ホルモン補充療法は脳卒中のリスクを約29%上昇させることに関与する。
2.特に脳への不十分な血液の供給が原因となる虚血性脳卒中に関与している。
3.脳卒中の重症度も上昇する。
(Association between hormone replacement and subsequent stroke: a mete-analysis. Philip M W Bath, Laura J Gray. British Medical Journal. Jan. 7, 2005. からの抜粋。)
2. 慢性の背部痛が脳を萎縮させる可能性が報告される
神経科学ジャーナルに発表された研究によると、「慢性の背部痛が脳を萎縮させる可能性がある」と報告された。
年齢差や性差を考慮した後の数値では、健常者との比較で慢性背部痛の患者は11%も大脳皮質の減少がみられた。 慢性背部痛の状態における脳の役割はいまだ推論のままではあるが、我々の研究の結果から慢性背部痛は脳での化学的異常と関係し、脳の萎縮に関与していると思われる。
健常者における老化による脳の萎縮が年間0.5%であるのに対して、慢性背部痛患者の場合は5~11%も萎縮し、この慢性背部痛による甚大な脳の灰白質の萎縮は10~20年の老化に相当する。
(Apkarian AV, Sosa Y, Sonty S, et al. Chronic back pain is associated with decreased prefrontal and thalamic gray matter density. The Journal of Neuroscience, Nov. 17, 2004; 24(46): 10410-10475. からの抜粋)
(解説)たかが背部痛と思って放置し慢性化すると、背中の痛みだけでなく脳の量が10~20倍も異常に減少し、機能も損なわれる可能性があることが判りました。 大脳皮質が委縮するとはアルツハイマー病と同じであり、恐ろしい現象です。 委縮してしまった灰白質が回復する事が証明されていないので、委縮する前に背部痛を治して予防することが賢明です。 貴方の本来の能力を維持し実力を発揮する為にも、カイロプラクティックで背部痛を根治させておく事が望ましいのではないでしょうか。
1. 子供の腰痛が放置されている
信頼の高い医学ジャーナルのスパイン(脊柱)誌によると、青少年少女に高率で腰痛の経験があり、しかもその殆どが治療を受けられずに放置されていることが報告された。
腰痛による悩みを経験した少女は74%、少年は60%。
腰痛の治療を受けた経験のある少女は13%、少年は11%であった。
(Sjolin AN. Persistence and change in nonspecific low back pain among adolescents. A 3-year prospective study. Spine, Nov. 1, 2004; 29(21); 2452-2457. からの抜粋)
(解説)思春期の青少年少女が予想外の高率で腰痛を経験していることが判明し、また彼らが適切な治療を受けないまま放置、或いは我慢するなどし、僅かな割合の子供達だけが治療を受けられたことが判りました。 成長期の子供達にも勉強やスポーツなどのストレスが あり、早期に適切なカイロプラクティックのケアを受け、健やかに育つ機会を与えてあげる必要があると思われます。
一般医学・健康関連最新情報 P.1
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