一般医学・健康関連最新情報 P.1 (1~30)
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30. 健康食品の効能と安全性
日本の国立健康・栄養研究所は、コエンザイムQ10、アガリスク、メシマコブ、サフラン、サメ軟骨、スッポン、納豆など健康食品の素材240種以上につい て、把握出来得る限りの研究論文や実験結果を集め、安全性や有効性などの情報を評価し、データベース化してホームページで公開した。
URLは、
(解説)健康食品と呼ばれるものの中には、商品化されてブームにまでなるものもあります。 しかし、その効 果や安全性については信頼出来る化学的なリサーチがほとんどされていない場合も少なくありません。 このデータベースは、製造業者・販売業者の宣伝ではな く、校正中立な立場で評価されており、安全性を確認するために有用であると思われます。 高額な健康食品の商品を購入する前に、参考までに確認されては如 何でしょうか。
29. 一般的な鎮痛薬で高血圧のリスクが上昇
ハーバード大学のJohn P. Forman, MD, PhDは、年齢34~77歳の5,000例以上の正看護師に関する詳細な情報を収集した2件の調査に基づく研究により、「タイレノール、アドビル、アリー ブなどの一般的な鎮痛薬が高血圧のリスクを上昇させる」と報告した。
この研究では、イブプロフェン(商品名:Advil, Motrin)、ナプロキセン(商品名:Aleve)および同種薬を一つの区分(NSAIDs)にまとめたが、NSAIDsを使用する女性の80%はイブ プロフェンを服用していた。 研究の結果、「1日あたり400mg以上のNSAIDsの服用により、高血圧のリスクが高齢女性において78%上昇、若年女 性でも60%上昇した」と述べている。
また、「1日あたり500mg以上のアセトアミノフェン(商品名:タイレノール)の服用では、高血圧のリスクが高齢女性において93%上昇、若年女性でも 99%上昇した」と報告している。 この研究ではアスピリンと女性の高血圧との関連は認められなかった。 しかし、アスピリンを頻繁に服用する女性では血圧が高いという傾向が認められた。
Forman博士は、「米国で最も多く使用されている二つの薬剤であるアセトアミノフェンとNSAIDsは、実質的に高血圧の疾患負荷(Disease burden)に貢献している可能性がある。 この知見は、女性が一般的な鎮痛薬を服用することについて、もう一度よく考えるべきであることを意味している。 個人レベルでは、これらの薬剤は非常に慎重に使用すべきである」と述べている。
(Forman, J.P. Hypertension, September 2005, Vol. 46, pp 1-8. からの抜粋)
(解説)この研究について、米国ジョージア州アトランタにあるエモリー循環器センターのリスク削減プログラ ム責任者、Laurence S. Sperling, MDは、WebMDで次のような所見を述べています。 「薬局で購入でき、医師の処方を必要としない薬剤は、我々が考えているほど安全ではないかもしれな い。 特にタイレノールには毒性がないと一般に考えられている。 我々は、定期的に使用する場合、あらゆる薬剤にリスクがあるということを認識しなければ ならない。」 そして、疼痛のある人に対し、「何が正しいかをよく考えなければならない、といつも言っている。 その薬剤よりも安全性の高いものがあれば 素晴らしい。 そのようなものが見つけられない場合、何らかのリスクを受け入れなければならない」と述べています。
米国食品医薬品局 (FDA)は2004年12月23日に、「長期服用で心臓発作の危険が高まると指摘された鎮痛薬セレブレックスとベクストラについて、処方は本当に必要な 場合に限定するよう医師に求める異例の勧告を発表。 鎮痛薬ナプロキセンについても同様の危険性がわかった」と発表した。 これらの鎮痛薬はいずれも非ステロイド系抗炎症剤で、セレブレックスとベクストラは胃腸の副作用が少ない新世代薬「COX-2阻害薬」です。
2004年9月、米製薬大手メルク社の鎮痛剤バイオックス(COX-2阻害薬)が心臓病発生率を高めるとして自主回収されたが、「バイオックスの副作用で 夫が死亡した」として女性が同社を相手取り起こした裁判で、2005年8月19日、テキサス州地裁はメルク社に総額2億5340万ドル(約280億円)の 支払いを命じる評決を下しました。
ここで理解すべきことは、鎮痛剤など医薬品は基本的に痛みの伝達を阻害することで痛みを感じなくさせるもので、痛みが起こった原因を取り除くものではな く、病気などを治すものではないこと、そして副作用があるということです。 医師も政府(FDA)も安易な鎮痛剤の使用を戒めていますが、では痛みのある 人達はどうすれば良いのでしょうか?
米国政府は、急性腰痛のガイドラインで西洋医学の投薬・手術・理学療法などよりも、「安全・効果的・安価」としてカイロプラクティックを勧めています。 外国政府の研究でも、頚部痛、頭痛など様々な症状に、カイロプラクティックや鍼灸の効果が高いことがわかっています。 また、情報化社会となり、医学情報 を入手することが容易になったことで、知識人や健康志向の人々を中心に、リスクの高い西洋医学を避け代替医療に答えを見出す人が増えています。 調査によ ると、1990年以降、西洋医学の医師への受診数よりも、カイロプラクティックや鍼灸などの安全で効果的な代替医療への通院数が顕著に多くなっています。
貴方は、手軽さを優先して、痛みや症状を和らげる為に薬と一緒に上記の副作用のリスクも飲みますか? カイロプラクティックや鍼灸など、自然で身体に優しい根本療法を受けますか?
28. 葉酸はアルツハイマー病のリスクを減少させる
カリフォルニア大学アーバイン校のMaria Corrada助教授(神経学)がニュースリリースで発表した研究によると、「葉酸の多い食事は、アルツハイマー病のリスク減少に有益である可能性がある」ということが判った。
研究者らは、アルツハイマー病を罹患していない60歳以上のボランティア579例(女性220例、男性359例)の食事を解析し、9年間追跡してボラン ティアらが摂取した抗酸化ビタミン(E、C、カロテノイド)及びビタミンB群(葉酸、B6及びB12)を含む食品の割合を調べた。 追跡期間に、被験者 57例にアルツハイマー病が出現した。
研究者らは、アルツハイマー病を発症した人の栄養摂取を、アルツハイマー病を発現しなかった人と比較した。 その結果「葉酸の摂取量が高い人ではアルツハ イマー病発症率が約60%低いこと」が判明した。 そして「葉酸摂取量(食事と栄養補助食品)の合計がRDAである400μg以上の高齢者では、アルツハイマー病発症リスクが55%減少する」と発表した。
Corrada助教授は、「葉酸は他の栄養素よりも有益に思われるが、全般的に健康的な食事がアルツハイマー病のリスク抑制に効果があるように思われるということを我々の研究の主な結論とすべきであろう」と述べている。
(News release, Alzheimer's Association. Maria Corrada, assistant professor of neurologu, University of California, Irvine News release, American Heart Association. Alzheimer's Society. Linus Pauling Institute. からの抜粋)
(解説)今回の研究で、葉酸がアルツハイマー病の発症リスク減少に有益であることが判明しましたが、重要なのはCorrada助教授が最後に述べられた「全般的に健康的な食事がアルツハイマー病のリスク抑制に効果があるように思われる」という部分ではないでしょうか。
葉酸は、心臓病の危険因子であるホモシステインの血中濃度を低下させることが示されており、葉酸およびビタミンB12の血 中濃度減少と共に、高い血中ホモシステイン濃度も脳卒中とアルツハイマー病に関連があるとされています。 しかし、心臓病と脳卒中のリスク減少のために、 全米に普及している葉酸補助食品を摂取することを米国心臓協会(AHA)は勧めていません。 同協会は、果物や野菜を1日当たり最低5単位を含む健康的な バランスのとれた食事を勧めています。
葉酸を豊富に含んだ食品は、青菜、アスパラガス、ブロッコリー、ほうれん草などの緑黄色野菜、豆類、オレンジ、レバー、卵、牛乳などです。 葉酸は主にた んぱく質の合成に必要で、特に赤血球が作られるときに働きますから、葉酸が不足すると貧血になります。 貧血気味の女性は、特に鉄分と葉酸の摂取に気を付 けましょう。 栄養補助食品に頼らず、自然の食材でバランスよく摂取することが大切です。
27. 知能指数(IQ)の高さは人生の幸福感を保証しない
英国エジンバラ大学のAlan J. Gow, PhDらが英国医師会誌に発表した研究によると、1921年生まれのスコットランド人550人を長期間追跡調査し、11歳時と79歳時に知能テストを受 け、さらに「人生の満足度」テストも受けた結果、80歳時点での人生への満足度と、11歳或いは79歳での知能指数(IQ)の高さとの相関関係は統計的に 有意ではなく、知能が幸福とは関係しないことが示された。
知能には、よい仕事を得るための手段となるなどのプラスの面と、より大きな業績を求めてあがくなどのマイナスの面があり、どちらも幸福感に影響を与える が、Gow博士は、「知能以外の多くの要素が幸せかどうかに大きく影響し、知能は単に小さな要素の一つに過ぎない。 結局、年をとったときの幸福感に影響 するのは生活の質(Quality of Life)で、例えば寝たきりで歩き回ることが出来なければ、それが決定的要因になる」と述べている。
(British Medical Journal, July 17, 2005. からの抜粋)
(解説)幸せはお金で買えませんが、知能指数(IQ)が高いことも幸せな人生を保証しないことが報告されました。 結局、年をとったときに幸せな人生であるかどうかを左右する大きな要素は「健康であるかどうか」であるということのようです。 健康で食べたいも のが食べられ、自由に動くことが出来てしたいことが出来、趣味などの楽しみが実行出来るかどうか、「生活の質(QOL)」によって決まるということです。
「生活の質(QOL)」を高く維持する為に、そして「健康状態」を維持する為には、病気になってから薬や手術に頼るようなことのないようにしなければなり ません。 何らかの症状のある人は早期治癒のために、現在症状のない人は病気予防のために、予防医学としてのカイロプラクティックや鍼灸(東洋医学)の診 察とケアがお勧めです。 自然で安全なカイロプラクティックや鍼灸の真価は、こういった面でも発揮されます。
26. 記憶と学習に睡眠が有用
ハーバード大学医学部精神科の助教授で、Beth Israel Deaconess病院の睡眠・神経画像研究所の所長であるMatthew Walker, PhDの研究によると、記憶および学習が睡眠によって改善されたことが認められた。